【第19回】学術大会
多様性を問う〜人文・自然・社会の観点から〜


地球システム・倫理学会の「第19回学術大会」を2023年11月11日(土)に東洋大学白山キャンパスにて開催致しました。第19回学術大会を共催賜りました、東洋大学の福川伸次総長、金子光一常務理事、山口しのぶ文学部長、東洋大学福祉社会開発研究センター、東洋大学の諸先生方および職員の皆様に、心より御礼申し上げます。なお、「第19回学術大会」の基調講演・シンポジウムの内容は、2024年11月発行予定の『地球システム・倫理学会  会報』(第19号)に掲載される予定です。

・開催日:令和5年(2023年)11月11日(土)

・会     場:東洋大学(白山キャンパス)【ハイブリッド方式で開催】

・共     催:東洋大学福祉社会開発研究センター 

・テーマ:多様性を問う〜人文・自然・社会の観点から〜

・大会実行委員長:山口 しのぶ  東洋大学文学部教授・文学部長

・大会趣旨: 

    グローバル化を進めてきた世界は、感染症のパンデミックにより分断された。また自国の利益を優先する国家が、戦争という最も悲惨な形でその欲望と憎悪を拡大させている。戦争までに至らずとも、異なる民族同士の対立、あるいは移民と地域住民との経済格差による暴動や社会不安、さらには宗教や文化の違いが原因の紛争など、現代社会においてわれわれが抱える諸問題は、世界の未来に暗い影を落としている。

   いっぽう「持続可能な社会」「すべての人が尊重されるべき社会」を目指すSDGsやESGの観念はグローバル化とともに世界に広がり、現在では行政、NGO・NPO、企業、そして大学の理念にも大きな影響を与えている。    

   SDGsやESGは「環境の保全」「社会的平等」などを基本的な指標として掲げている。環境保全においては、たとえば多様な生物からなる生態系維持にとり障害となる汚染物質を取り除くことが目標となる。また現代において、経済格差、男女の違い、LGBTQなど多様な性、障がい、人種、宗教の違いなどを原因とする偏見や差別があることを前提とし、社会的平等の実現のためあらゆる差別をなくすことを目標としている。

   これらの目標の基盤にあるのは、自然や人間には多様性(ダイバーシティ)があり、それを尊重しつつ包摂すること(インクルージョン)が重要であるという考え方である。2001年に採択されたユネスコの「文化的多様性に関する世界宣言」は、自然にとって生物における種の多様性が重要であると同様、文化の多様性が交流、革新、創造性の源として人類にとって必要不可欠であると述べる(第1条)。

   それでは多様性とは一体なにか。われわれは全ての多様性を認めなければならないのか。多様な世界において、一つの価値観を認めると自動的に他の価値観を排除しなければならない場合にはどうすればよいのか。多くの人びとが「多様性」を口にするが、そこに関わる問題を理解し解決することは難しい。

   本大会においては、まずその多様性をあらためて問うことから出発する。多様性を問う学問もまた多様であるが、今回は人文科学、自然科学、および社会科学の視点から多様性を問い直す。「多様性とは何か」を問うことは、自然や社会を改善し持続可能なものとして機能させるために、最初に行うべき必要不可欠な作業であると考える。

以上

山口 しのぶ  東洋大学文学部教授・文学部長

近藤 誠一 地球システム・倫理学会会長

 福川 伸次 学校法人東洋大学総長

藪長 千乃     東洋大学国際学部教授

 三重野 清顕     東洋大学文学部教授

根建  拓      東洋大学生命科学部教授

金子 光一 東洋大学福祉社会デザイン学部教授・教学担当常務理事

佐々木 瑞枝 地球システム・倫理学会常任理事

青木 三郎 地球システム・倫理学会副会長

当日のスケジュール

09:00〜      受付開始(受付デスク:正門の隣の「8号館門」を入ってすぐの8号館1階)

09:30〜11:30 自由論題発表(1号館 7階・1707教室および1708教室、1709教室は控室)

                                             自由論題発表発表者リストはこちら

11:30〜13:00  昼食休憩 【昼食は、8号館の1階の「SUBWAY」(サンドイッチ)、8号館地下1階の「三丁目食堂」(定食、ラーメン)を

                                                                                     ご利用頂けます。営業時間はいずれも10:00〜14:00です。】

                                午後の部の会場:8号館7階125記念ホール 

                                司会:山口 しのぶ  東洋大学文学部教授・文学部長

13:15〜13:30     開会挨拶    近藤 誠一 地球システム・倫理学会会長 

13:30〜14:30 基調講演 「多様性と知の創造」 福川 伸次 学校法人東洋大学総長

14:30〜15:00 休憩

15:00〜17:30 シンポジウム「多様性を問う〜人文・自然・社会の視点から」

    モデレーター:   山口 しのぶ   東洋大学文学部教授・文学部長

          パネリスト:   藪長 千乃(やぶなが・ちの)東洋大学国際学部教授

          パネリスト:   三重野 清顕(みえの・よしあき)東洋大学文学部教授

          パネリスト:   根建  拓(ねだち・たく)東洋大学生命科学部教授

          パネリスト:   佐々木 瑞枝 地球システム・倫理学会常任理事

コメンテーター:   青木 三郎 地球システム・倫理学会副会長 

17:15〜17:30 閉会挨拶  金子 光一 東洋大学福祉社会デザイン学部教授・教学担当常務理事 

17:45〜19:15 懇親会(8号館地下1階「三丁目食堂」)

●大会参加費:学会員(対面参加) 3,000円、 学会員(オンライン参加)無料。

リーフレット(表面)    リーフレット(裏面)

●佐々木瑞枝 常任理事が作成した「ミニ・アルバム」(PDF)はこちら

以上