「舞根森里海研究所」設立(2014年4月26日)

投稿日: 2014/05/07 2:04:04

地球システム・倫理学会理事で京都大学名誉教授の田中 克(たなか・まさる)先生が初代所長となり、宮城県気仙沼市に「舞根森里海研究所」(Moune Institute for Forest-Sato-Sea Studies)が2014年4月26日に設立されました。以下は日本財団のFacebook記事からの抜粋です。

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宮城県気仙沼市唐桑町の舞根(もうね)湾のほとりで、4月26日、舞根森里海研究所がオープンしました。

この研究所は、日本財団、京都大学フィールド科学教育研究センター、NPO森は海の恋人が協働で建設したもので、今後は三陸沿岸の水産漁業の研究・教育の拠点となることが期待されます。

東日本大震災で大きな被害を受けた気仙沼・舞根湾では、震災から1年も経過しない時期にカキ養殖が復活。その背景には、25年にわたって荒廃した森で植樹を続けてきた森は海の恋人(旧「牡蠣の森を慕う会」)の取り組みがあります。京都大学フィールド科学教育センターは、海と森の関係性を分野横断型で捉える「森里海連環学」を新設、2004年以来、植樹活動を研究面でサポートしています。

日本財団は、次世代に豊かな海を引き継ぐために、海に関わる研究のほか、海洋教育活動や地域コミュニティの活性化も狙いとして、助成金99,990,000円を拠出しました。

オープニングの式典で、森は海の恋人の畠山重篤理事長は、既存の学問領域を超えた広い視野を持ち、世界で活躍できる人材の育成に意欲を見せたほか、日本財団の尾形武寿理事長は「この研究所が三陸沿岸の復興のシンボルとなり、日本の教育を牽引してほしい」と期待を語りました。

京都大学の名誉教授で初代の所長となった田中克所長は「世界の人々の思いが集まって、それに支えられて、人が育っていく場所にしたい」と抱負を述べました。

同研究所は、鉄骨造り2階建てで、1階には養殖実験室や多目的スペースを、2階には事務室、応接図書室、会議室、精密分析室を備えています。今後は、研究・教育の拠点として、国内外の研究者や学生が集う研究活動や子供の教育事業など幅広く利活用されることが期待されます。