会長挨拶 Greetings from Incumbent and Past Presidents of the JSGSE

理性の可能性と人間性の限界


世界情勢は混迷の色を深めつつあります。とりわけ諸々の混乱が、不安定地域とみなされてきた中東やアフリカ等の途上国のみならず、戦後世界の秩序づくりをリードしてきた先進国にも及んでいることが気がかりです。アメリカにおけるトランプ現象、欧州におけるテロと反移民感情の高まり、そして英国のEU離脱です。

  これらはいずれもグローバリゼーションの進展に不安や怒りさえ抱くひとびとによるポピュリズムだと言われています。しかし問題の根底にあるのは、西欧近代主義の象徴ともいえる自由・民主主義という理念が、現在適切に機能していないということだと思います。そしてそれはこの理念体系自体に欠陥があるからではなく、制度の性質を熟知せず、適切に運用できていないことからくる問題なのです。

  自由・民主主義という理念体系の基本にある概念は、個人が市場で自由に自己の欲望を満たそうとすれば、「見えざる手」によって全体が進歩するというアダム・スミスのいわゆる「予定調和」論です。そして意見の違いが議論によって調整できなければ多数決によって決める、争いになったら法の下の公正な裁判によって決着するという体系です。理念の体系としては見事に完結しています。

  しかしこの理念体系では、ひとがみな合理的に行動することが大前提になっています。ひとには理性があるからそれは可能だし、それこそ人間の偉大さだと考えたのが啓蒙の時代です。以来それは人類の誇りとなり、「近代文明」の中核となって産業革命や、科学技術の発達を生み、自由・民主主義において結実した(と思った)のです。ところが現実社会ではひとの感情は非合理的で矛盾に満ちています。理性を代表する科学は言語によって次々に後の世代に引き継がれ、積み上げられて進歩しますが、ひとの感情はそれぞれゼロから出発して死とともに終わるもので、古来「進歩」はありません。そして皮肉なことに、市民革命を経てやっと勝ち得た「自由」は、誰もがもつ嫉妬や恨みなどの反社会的な情念を解き放ってしまうのです。我々は意識的に理性の力を維持し、モラルを高め、感情を抑制して合理的に行動する術を身につけて初めて、社会を理念型に近づけることができます。しかしそうするには一般の人間はあまりに弱く、理念の実行には大きな限界があることを最近の事象は示しているのです。とりわけ自由・民主主義を標榜する欧米の力(軍事・経済)が相対的に落ち、また成功ゆえの油断によって利己主義や腐敗など理念に反する行為が生じると、民衆の感情的不満が頭をもたげ、理性による抑えが効かなくなってきたのです。それまで抑圧されてきた途上国において、目の前の不満と、十字軍やアヘン戦争以来の歴史的怨念が結びついて、過激派によるテロを生んでいます。先進国内でも民衆の間にある格差等への不満が心底にある人種差別と結びついてコントロール不能になりました。美しい理念も「きれいごと」に過ぎず、それに裨益するのは既成政党やEU本部というエリート層、さらには移民たちだけで、自分たちは置いてきぼりで馬鹿をみたのだと考えて反逆し始めたのです。

  どうすればこの文明の危機から人類を救うことができるのでしょうか。理性の復権のために規律を説くだけでは民衆は納得しません。人間の弱さは将来にわたり不変でしょう。しかし大衆の感情におもねっては衆愚政治に陥るだけです。ここで思い起こすのが、アマルティア・センの言葉です。

 「『理性的でないこと』に溢れている世界であっても、理性は正義を理解する上で中心的な位置を占めるのである。さらに言えば、そのような世界だからこそ、理性は特に重要なのである」(『正義のアイデア』)

  さらに会報第9号で服部前会長が述べておられる、「自然を客体化する理性ではなく、自然の中にあってその声を聴き、感性と響き合う理性」を求めるということ、言い換えれば欧米的な理性ではなく、アジア的な理性を取り戻すということに答えがあるのではないでしょうか。

会長挨拶 Greetings from Incumbent and Past Presidents of the JSGSE

地球システム・倫理学会の特徴と使命

2011年6月17日

地球システム・倫理学会第2代会長

服部 英二

本学会は「地球と人類の未来を考える会」です。

入会に当たって、学会という名称によって連想されるような職業的制約はありません。大学や研究所の教職・研究職についていない人の中にも、今全人類が直面している、地球環境と人類の存続の問題を真剣に考えている人は沢山います。これらの方々にも開かれた学会であることをわれわれは目指しています。すなわちその特徴の第一は、誰でも参加できる「開かれた学会」です。

 次に本学会は同じ問題意識を共有する内外の全ての研究機関との交信を図ります。そしてそれら研究機関との連携、更に研究機関同士の情報の交換を促進すべく、2011年、会員に加えて「協賛研究機関」というカテゴリーを創設しました。すなわち本学会の二つ目の特徴は「絆を創る学会」です。更に本学会は、日本人の持つ優れた資質を評価しつつ、その最大の欠陥であるコミュニケーション力の不足に対処する、という大きな使命を帯びていると自覚しています。世界に向けてのメッセージの発信です。

 2011年3月東北を襲った大震災と巨大津波の折にも、世界中からの支援と連帯の声が寄せられながら、日本側の情報の管理と発信力の不足が痛感されました。

 これに対し、われわれは学会での研究の成果を世界に発信すると共に、発信力を持つ世代の養成を意図しております。すなわち本学会の第三の特徴は「発信する学会」です。

 このような理念に基づき、本学会は2011年の研究大会を「新しい地球倫理を求めて――覇権主義の終焉 In Search of a New Global Ethics?Toward the end of Hegemonism」をテーマとした国際シンポジウムを中心として組織し、これに賛同する世界的頭脳の参加を得るに到りました。従来の文明史を律してきた「力の文明」から「いのちの文明」へのパラダイムの転換が大きな論点となりましょう。

 具体的な発信のアクションもうひとつの例として、本学会は、国連に「地球倫理の日」International Day for Global Ethicsの設定を働き掛けております。すなわち現在の地球文明システムの破滅の原因の深奥に「倫理」の欠如を見てとらねばならぬと訴えるものです。

 このように、開かれた学会・絆を造る学会・発信する学会の3点を指標とする本学会は、そのため世界で志を同じくする人々に参加していただくべく「協賛会員」Associate members という新しい会員カテゴリー設定しました。2011年4月現在、これらのカテゴリーに上げられた個人や研究機関の名は本年報に明記されておりますが、年々増えて行くでしょう。更に本会報をはじめとする出版物も多くの部分を英文併記とし、そのまま世界の識者に供しうるものを目指してまいります。

 これを読まれた皆さまの本学会への参加をお待ちしています。

地球システム・倫理学会『会報』第1号巻頭言


2006年10月25日

地球システム・倫理学会初代会長

 伊東 俊太郎

われわれはいま、21世紀の初頭に立って、人類と地球の未来を真剣に憂うる事態に直面しています。

 地球温暖化をはじめとする環境問題、生物種の絶滅などの生態系の危機、核兵器や生命操作などの科学技術による文明の歪み、宗教対立によるテロや暴力の発生など、人類史において未だかつてなかったような、見通しのつかない不穏な時代に突入しています。

 この危機的状況を克服して、これからの人類の存立を後世に確保してゆくためには、もはや、1地域、1国家、1文化、1文明にとどまっていては解決できず、まさにそれらの問題を地球的連関において考察し、そのシステムとしての倫理をあらためて構築してゆくほかはないでしょう。

 このような地球的問題群の解決に向かって、自然・人類・文化・文明の新しい在り方を創り上げるために、その間の調和的「地球システム倫理」を構想し、実践してゆくことは、これからの人類の喫緊の課題であります。そのためには、これまでさまざまな領域に分断されていた知識や経験を、生ける地球と人類の存続という目的に向かっての新しい英知として再統合すべく、分野を異にする同じ志の人びとが結集し、世界にさきがけて訴えてゆくことが必要であります。

 われわれは、このような方向の研究を進め、その実現を期するための市民的な新しい学会、「地球システム・倫理学会」を2006年に設立し、2月には創立総会をもちました。その成果を収め、さらにこの方面の最近の書物、国内外の情報なども伝え、われわれの運動をさらに拡げてゆくために、『地球システム・倫理学会会報』を創刊し、ここに第1号を送り出すこととなりました。

本誌を媒介として本学会が益々発展し、21世紀の人類の、よりよき生存のために寄与することを、つよく願ってやみません。


「地球システム・倫理学会」基本情報

 (202282日現在)

Outline of the JSGSE as of August 2nd, 2022

地球システム・倫理学会役員 

202282日現在(役職ごとに五十音順、敬称略)

【名誉会長・理事】
伊東 俊太郎
(東京大学名誉教授)

【会長・理事】
近藤 誠一
(近藤文化・外交研究所代表、外務省参与、国連安保理改革担当)

【副会長・理事 】
青木 三郎(筑波大学特命教授)

立木 教夫 (麗澤大学名誉教授)

山脇 直司(星槎大学学長)

【常任理事】
服部 英二
(元国連教育科学文化機関事務局長顧問、地球システム・倫理学会 会長顧問)

小倉 紀蔵
(京都大学大学院教授)

後藤 敏彦
(環境監査研究会代表幹事)

佐々木 瑞枝
(武蔵野大学・大学院名誉教授)

【顧問】
吉田 収
(ミズーリ禅センター)

【理事】
青木 清
(上智大学名誉教授)

秋道 智彌
(山梨県立富士山世界遺産センター所長)

荒木 勝
(岡山大学名誉教授)

荒木 稔恵
(著述家)

犬飼 孝夫
(麗澤大学教授)

岩澤 知子
(麗澤大学教授)

尾本 恵市
(東京大学名誉教授)

小山 芳郎
(元NHKプロデューサー、ジャーナリスト)

鎌田 東二
(上智大学グリーフケア研究所特任教授、京都大学名誉教授)

亀田 達也
(東京大学大学院教授)

木村 護郎クリストフ
(上智大学教授)

久留島 浩
(国立歴史民俗博物館特任教授)

幸田 澄子
(文明論講座副代表)

小山 典勇
(元・大正大学教授)

坂田 雅子
(映画監督)

島薗 進
(上智大学特任教授)

清水 良衛
(文明論講座)

鈴木 寛
(東京大学大学院教授、慶応大学大学院教授)

多田 孝文
(大正大学名誉教授)

田中 朋清
(岩清水八幡宮権宮司)

田中 克
(京都大学名誉教授)

谷口 正次
(資源・環境ジャーナリスト)

鶴岡 真弓
(多摩美術大学芸術人類学研究所所長)

所      功
京都産業大学名誉教授

永野 博
(国立研究開発法人科学技術振興機構特任フェロー)

橋      柃
(ウィーン比較思想・学際研究協会理事長)

畠山 兼一郎
(株式会社テイコク製薬社代表取締役)

花岡 永子
(大阪府立大学名誉教授)

原田 憲一
(比較文明学会 前会長、株式会社シードバンク顧問)

平澤 和夫
(白鴎大学元講師)

平田 天石
(山形大学名誉教授)

平田 俊博
(山形大学名誉教授)

広井 良典
(京都大学人と社会の未来研究院教授)

藤原 帰一
(東京大学未来ビジョン研究センター客員教授)

堀尾 輝久
(東京大学名誉教授)

正木 晴彦
(長崎大学名誉教授)

松本 亮三
(東海大学名誉教授)

丸井 浩
(武蔵野大学大学院教授・東京大学名誉教授)

村上 陽一郎
(東京大学名誉教授)

茂木 健一郎
(脳科学者)

安田 喜憲
(ふじのくに環境史ミュージアム前館長)

矢野 安剛
(早稲田大学名誉教授)

山下 和也
(愛知大学法学部教授)

吉崎 泰博
(北九州市立大学名誉教授)

頼住 光子
(東京大学大学院教授)


【評議員】

秋山 知宏
(元・東京大学大学院助教)

今村 哲史
(山形大学教授)

木田     剛
(獨協大学教授)

坂田 多喜雄
(元・山形県歯科医師会専務理事)

高橋 秀裕
(大正大学教授)

竹中 信介
(公益財団法人モラロジー道徳教育財団道徳科学研究所研究員)

土井 新悟
(TokiMatagiGroup株式会社代表取締役)

服部 理恵
(一般社団法人結婚学会代表理事)

半田 栄一
(元・嘉悦大学講師)

中村 安里
(京都大学総合生存学館博士課程)

宮澤 伸幸
(一般社団法人SEA代表理事)

宗像 俊輔
(公益財団法人モラロジー道徳教育財団道徳科学研究所研究助手)

森上 優子
(文部科学省初等中等教育局教科書調査官)

【監事】

竹内 啓二
(麗澤大学名誉教授)

以上

【設立日】

2006年(平成18年)2月20日

伊東 俊太郎らが発起人となり麗澤大学において設立総会・第1回学術大会を開催。

 

【会長】

近藤 誠一(第3代会長・会長在任期間:2016〜 )

 

【初代会長】

伊東 俊太郎(東京大学名誉教授)会長在任期間:2006〜2010


【第2代会長】

服部 英二(元・ユネスコ事務局長顧問)会長在任期間:2010〜2016

 

【副会長】

青木 三郎(筑波大学特命教授)

立木 教夫(麗澤大学名誉教授)

山脇 直司(星槎大学学長)


【常任理事】

服部 英二(元・ユネスコ事務局長顧問) 

後藤 敏彦(環境監査研究会代表幹事)

佐々木 瑞枝(武蔵野大学・大学院名誉教授)

小倉 紀蔵(京都大学大学院教授)


【事務局長(理事)】

犬飼 孝夫(麗澤大学教授)

 

【会員数】

正会員・学生会員:185名

協賛会員:日本人22名、外国人13名

顧問:1名

協賛研究機関:16団体

賛助会員:5団体


【年会費】

正会員:年間7,000円

学生会員:年間3,000円

 

【主な活動】

 (1)研究例会の開催(西新宿の麗澤大学東京研究センターにおいて年間9回開催)*

 (2)学術大会の開催(毎年11月に開催)

 (3)ニューズレター発行(毎年6月に発行)

 (4)学会誌『地球システム・倫理学会会報』の発行(毎年10月に発行)

 

【事務局の所在地】 

〒277-0065 千葉県柏市光ケ丘2−1−1麗澤大学 犬飼孝夫研究室


【メールアドレス】

tinukai@reitaku-u.ac.jp 


以上

協賛会員・顧問・協賛研究機関・賛助会員

Associate Members, Advisor, Associate Research Institutes, Supporting Members of the JSGSE

202282日現在

●協賛会員(日本人)22名敬称略・加盟順

梅原 猛 哲学者2019年1月逝去)

片倉 もとこ (国際日本文化研究センター名誉教授・元所長2013年2月逝去)

稲盛 和夫京セラ株式会社名誉会長、2022年8月逝去)

川勝 平太静岡県知事)

森本 公誠東大寺総合文化センター総長)

愛知 和男元環境庁長官・世界遺産アカデミー会長)

板垣 雄三東京大学名誉教授)

木曽 功千葉科学大学学長、元ユネスコ日本政府代表部特命全権大使)

山折 哲雄国際日本文化研究センター名誉教授・元所長)

大石 芳野フォトジャーナリスト)

佐藤 禎一元文部事務次官・元ユネスコ日本政府代表部特命全権大使)

西原 春夫アジア平和貢献センター理事長、早稲田大学元総長)

明石 康元国連事務次長、国際文化会館理事長)

青柳 正規山梨県立美術館館長、東京大学名誉教授)

加藤 登紀子歌手)

廣池 幹堂学校法人廣池学園理事長、公益財団法人モラロジー道徳教育財団理事長)

松浦 晃一郎第8代ユネスコ事務局長)

中西 進高志の国文学館館長)

広中 和歌子元環境庁長官、公益財団法人水と緑の惑星保全機構理事長)

青木 保第18代文化庁長官、国立新美術館長)

宮本 久雄東京大学名誉教授)

山極 壽一総合地球環境学研究所長、京都大学第26代総長)

石澤 良昭上智大学教授、上智大学アジア人材養成研究センター所長)

中村 桂子JT生命誌研究館名誉館長)

 

●協賛会員(外国人)敬称略・加盟順

サラ・ハンナシ(Salah Hannachi前駐日チュニジア大使

マーティン・フォスラー(Martin Vosseler)IPPNW(核戦争防止国際医師会議)スイス支部創設者

セルジュ・ラトゥーシュ(Serge Latouche)パリ南・第11大学名誉教授

マルク・アンベール(Marc Humbert)元日仏会館研究センター研究所長

ヴィノード・サイグハル(Vinod Saighal)(インド)環境モニター協会理事長

マニ・シャンカール・アイヤール(Mani Shankar Aiyar) 元インド石油・天然ガス大臣、青年スポーツ大臣

アフタッブ・セット(Aftab Seth)元駐日インド大使

オーギュスタン・ベルク(Augustin Berque)パリ・国立社会科学高等研究院教授

ブーヴァン・シャンデル(Bhuvan Chandel)国際哲学人文科学評議会副会長

マイケル・パレンシア=ロス(Michael Palenchia-Roth)イリノイ大学名誉教授

モハメド=ハシヌ・ファンタール(Mhamed Hassine Fantar)チュニス大学名誉教授

クリストフ・マルケ(Christophe Marquet)フランス国立東洋言語文化学院教授、元・日仏会館フランス事務所所長

フィリップ・デスコラ(Philippe Descola)コレージュ・ド・フランス教授
ミシェル・セール(Michel Serres)哲学者、コレージュ・ド・フランス教授(2019年 6月逝去)

ローベルト・シュペーマン *(Robert Spaemann)ドイツの哲学者(2018年12月逝去)


●顧問敬称略

吉田 収ミズーリ禅センター)

 

●協賛研究機関 敬称略・加盟順

JT生命誌研究館永田 和宏 館長)

上智大学地球環境研究所黄 光偉 所長)

千葉工業大学惑星探査研究センター松井 孝典 センター所長)

麗澤大学比較文明文化研究センター犬飼 孝夫 センター長)

千葉大学地球環境福祉研究センター小林 正弥 センター長)


総合地球環境学研究所山極 壽一 所長)

チュービンゲン大学地球倫理研究所クラウス・ディーアクスマイアー 所長

Global Ethic Institute, University of Tübingen(Director Claus Dierksmeier

環境エネルギー政策研究所飯田 哲也 所長)

一般財団法人京都フォーラム矢﨑 勝彦 理事長)

ウィーン比較思想・学際研究協会橋  怜 理事長)  

Verein für Komparative Philosophie und Interdisziplinäre Bildung (KoPhil)

舞根森里海研究所田中 克 所長)

京都大学フィールド科学教育研究センター(朝倉 彰 センター長)

上智大学生命倫理研究所浅見 昇吾 所長)

片倉もとこ記念沙漠文化財団縄田 浩志 代表理事)

久保川イーハトーブ自然再生研究所 千坂 げんぽう 所長)

 

 

●賛助会員 敬称略・加盟順

一般社団法人結婚学会服部 理恵)

株式会社三国一橋本 皇子)

TokiMatagiGroup 株式会社土井 新悟)

株式会社テイコク製薬社畠山 兼一郎)

一般社団法人SEA宮澤 伸幸)

 

以上

地球システム・倫理学会「会則」

Constitution of the JSGSE

地球システム・倫理学会会則


第一条(名称)

本会は地球システム・倫理学会(The Japan Society for Global System and Ethics)と称する。


第二条(目的)

本会は地球生命システムの調和と共生のための総合的な、かつ学際的で行動的な研究・教育や、交流・啓発活動を行なう。


第三条(事業)

本会は次の事業を行う。1. 学術大会の開催 2. 研究例会の開催 3.「ニューズレター」および学会誌『地球システム・倫理学会会報』の刊行  4. その他の必要な事業


第四条(会員)

本会は正会員、学生会員、賛助会員、協賛会員で構成される。正会員および学生会員は本会の目的に賛同する者で、別途定める年会費を支払う。賛助会員は本会の活動を財政的に支援する企業・団体で、別途定める年会費を支払う。協賛会員は本会の活動を支援する有識者で、年会費納入の義務は免除される。いずれの会員も、入会に際しては理事会の承認を得るものとする。

第五条(退会・休会・除名)

会員は退会届を提出することにより任意にいつでも退会することができる。会員は休会届を提出することにより一定期間休会することができ、休会中は会費を免除することができる。会員が本会の名誉を傷つけ、又は目的に反する行為が認められた時は理事会の議により、当該会員を除名、もしくは一定期間会員の権利を停止することができる。理事会が上記の決議を行った場合、会長は次回総会にその旨を報告するものとする。

第六条(権利)

会員は年次総会、学術大会および研究例会等に参加することができる。会員は「ニューズレター」および学会誌『地球システム・倫理学会会報』を受け取ることができる。。


第七条(名誉会長・顧問)

本会に名誉会長と顧問を置くことができる。名誉会長と顧問は本会の運営に関して会長に助言する。


第八条(役員)

本会に次の役員を置き、正会員の中より選出する。会長、副会長、常任理事は理事の互選により選出される。

1. 会長 一名  2. 副会長 三名  3. 常任理事 五名 

4. 監事 二名  5. 理事 若干名  6. 評議員 若干名

第九条(理事会)

理事会は評議員を除く上記役員により構成し、第三条に定める事業の審議および新規会員の入会可否を決する。評議員は理事会に意見を具申し、必要により参加することができる。


第十条(会長)

会長は本会を代表し、会務を統括し、総会及び理事会を召集する。


第十一条(副会長)

副会長は会長を補佐し、会長に事故ある時はこれを代行する。


第十二条(常任理事、監事)

常任理事は会長および副会長とともに常任理事会を構成し、本会の会務を分担、執行する。監事は本会の会計と会務を監査する。


第十三条(役員任期)

役員の任期は二年とする。


第十四条(事務局)

本会は理事会の議を経て事務局を設置し事務局長を任命することができる。事務局長は必要に応じ理事会の承認を得て事務局次長、事務局員を任命することができる。

2. 本会の事務局を、〒277-0065千葉県柏市光ヶ丘2丁目1番1号 麗澤大学犬飼孝夫研究室に置く。


第十五条(総会)

総会は毎年一回の定例総会とし、必要により臨時総会も開催する。総会に参加できる者は正会員および学生会員、その他会長が参加を認める者のみとする。審議事項は年次事業報告/計画、会計報告/計画、役員選出、その他を含む。


第十六条(経費)

経費は会費、寄付金、その他の収入による。会費は別途定める。


第十七条(会計)

理事または評議員の中より、会長の指名により二名を会計の任に当てる。


第十八条(年度)

本会の年度は毎年4月1日に始まり、翌年3月31日に終わる。


第十九条(会則変更)

本会則の変更は総会の議決による。


付則 平成17年4月24日会則原案作成、平成18年2月20日第1回学術大会(麗澤大学)で承認、平成19年10月27日第3回学術大会(山形大学)における総会で改訂し、同日から施行。平成23年6月25日第6回学術大会(麗澤大学)における総会で改訂し、同日から施行。平成24年4月28日年次総会にて改訂し、同日から施行。平成25年4月27日年次総会にて改訂し、同日から施行。平成26年4月26日年次総会にて改訂し、同日から施行。平成29年4月15日年次総会にて改訂し、同日から施行。平成30年4月21日年次総会にて改訂し、同日から施行。平成31年4月20日年次総会にて改訂し、同日から施行。令和2年6月20日年次総会にて改訂し、同日から施行。

以上

地球システム・倫理学会「設立趣意書」

Prospéctus of founding the Japan Society for Global System and Ethics (2006)


私達は、身近に地球温暖化、石油価格暴騰、戦争暴動テロに見る様に、人類の文明体系は自然の生命体系に対して地球規模の気象異常、環境汚染、生息域破壊、生物種絶滅、資源枯渇、格差拡大、生命軽視、生命操作、戦争、犯罪等の相互に関連する地球問題群をかかえて破局の危機への岐路に立っています。

「国家主義と戦争の世紀」から新しい「地球主義と平和の世紀」を望んだ二十一世紀初頭のテロや戦争は「木を見て森を観ない」自己中心主義や一国中心主義を強め、文明の金字塔構造を一層強化するかのようです。学問も象牙の塔に籠り、自然科学に範を取って、分析、(細)分科、(価値)分離に走り、総合、学際、価値、目的、行為を軽視、無視しています。

今や、地方から地球へ、競争から共生へ、エゴからエコへの枠組転換なくして問題の根本的解決はないと考えられます。全体生命系の緊急の問題解決の為に学問もまた物と力の僕としての知識から、心と命の主としての智恵(普遍的真理、実践的倫理)への転換が緊要です。

ここに、地球問題群、その原因、解決、方法を総合的、学際的、倫理的、行動的に究明、共有、協働することが急務であると考え、新学会、地球システム・倫理学会を設立しました、これは多くの人々の共同の智恵と具体的な行動が必要です。広い御支持と御参加を戴きたく御案内致します。このような観点から以下の四システム(体系)領域と部会を考えて居ります。


一、 生命システム・倫理(生命、生態系、解決策等)

二、 環境システム・倫理(環境、問題群、解決策等)

三、 文明システム・倫理(物と力の体系、解決策等)

四、 文化システム・倫理(心と命の体系、解決策等)


自由、斬新、創意に満ちた研究・提言・協働・共有を目指し、分科会、合同会、学術会議、日常交流など新しい手法や活動を展開したいと考えており、また御提案を歓迎致しますので何卒御照会、御参加下さい。また御存知の方で御関心の有る方の御紹介、御推薦を戴ければ幸甚に存じます。


発起人(肩書は当時のもの)


伊東 俊太郎(麗澤大学教授)

岩本 一(東洋大学教授)

岡田 真美子(兵庫県立大学教授)

加藤 美恵子(東洋大学教授)

木村 清孝(国際仏教学大学院大学教授)

斉藤  明(東京大学教授)

坂部 明(信州大学教授)

佐々木  宏茂(東洋大学教授)

島薗 進(東京大学教授)

立木 教夫(麗澤大学教授)

内藤 正明(仏教大学教授)

永安 幸正(麗澤大学教授)

平田 俊博(山形大学教授)

正木  晴彦(長崎大学教授名誉教授)

升本 順夫(東京大学大学院助教授)

松井 孝典(東京大学教授)

峰島 旭雄(早稲田大学名誉教授)

安田 喜憲(国際日本文花研究センター教授)

横山 紘一(立教大学教授)

吉田 収(東洋大学教授)

吉田 宏皙(大正大学名誉教授)